Culture Weaverは、各国におけるネットワーキングイベントの開催を通じて、漫画業界の国際的な連携を促進してきました。Culture Weaverが携わるネットワーキングイベントの一部についてご紹介します。
IMART
「国際マンガ・アニメ祭Reiwa Toshima(IMART)」は、“マンガ・アニメの未来を作る” をテーマにして2019年にスタートした、日本初のボーダーレス・カンファレンスです。2024年11月には第5回となるIMART2024が開催され、関係者間のナレッジ共有を目的として、業界のイノベーターや実務家による基調講演やトークセッションが開催されました。
既に好評を得ていた同イベントですが、海外との連携をより強化し、国際イベントとしての価値を向上させたいというご依頼を受け、IMART2024ではCulture Weaverが中心となって、海外企業を招致してのビジネスショーケース及び国際商談会を開催致しました。
ビジネスショーケース
ビジネスショーケースでは、大統領選を経て転換期を迎えようとしているアメリカでのBL作品の動向と展望について、アメリカの出版社経営者を迎え、現地ならではの目線で語って頂きました。インターネット上の情報収集だけでは分からない、現場の生の声やリアルな情報が詰まった貴重な内容で、有益な情報収集、情報交換の場として大きな盛り上がりを見せていました。
国際商談会
IMART2024で初の試みとなった国際商談会でしたが、特に中小出版社の皆様から「画期的な企画だった」「ビジネスに繋がった」と喜びの声を多数頂きました。大手出版社に比べ、リソースが限られる中小出版社にとって、商談のための海外出張はコストが大きく、二の足を踏むケースが散見されてきました。日本にいながら複数の海外出版社との商談を可能にする国際商談会は、このような課題を持つ中小出版社にこそ積極的にご活用頂きたい場です。
国際商談会では、これまで未発掘だった多くの作品が海外からの高い評価を得て、その場でビジネスが成立するという場面が数多く生まれました。
Jakarta Creative Conference 2024
「ジャカルタ・クリエイティブ・カンファレンス2024」(Jakarta Creative Conference 2024)は、ジャカルタ州政府ツーリズム及びクリエイティブ・エコノミー・オフィスが主催するビジネスマッチングイベントです。参加費無料、日本語通訳付きで、現地トップ企業とのビジネスマッチングやスタジオ訪問が含まれる本プログラムにおいて、Culture Weaverは、参加日本企業の募集及びコミュニケーション支援を担っています。
人口約2億7000万人の中に多くの若年層を抱えるインドネシアでは、キャラクタービジネスをはじめとするエンターテイメント業界が、これまでにない盛り上がりと勢いを見せています。ジャカルタ・クリエイティブ・カンファレンス2024では、Webtoon、キャラクタービジネス、ゲーム、映画等の分野で活躍する人材が集い、参加した日本企業と活発に交流する姿が見られました。
インドネシアは高い技術力を持つアーティストを数多く擁し、日本の漫画業界のパートナーとして大変魅力のある国です。しかし、日本の漫画ライセンスを持つ出版社が、インドネシアの出版最大手コンパス・グラメディア・グループに属する2社のみに限定されていることもあり、ライセンス許諾ビジネスの側面だけ見ていると、インドネシアの魅力はつい見過ごされてしまいます。
ジャカルタ・クリエイティブ・カンファレンス2024は、現場の熱量や勢いを直に感じられる貴重な場であると同時に、インドネシアが持つ可能性を十分に感じて頂ける絶好の機会です。
コンテンツIPマーケット2024
コンテンツIPマーケット2024は、「コンテンツIP、新しい拡張の機会」をテーマとした、コンテンツIPの映像化や商品化、海外進出のための協業等を目的としたイベントです。同イベントでは、韓国国内のWebtoon人材とWebtoonスタジオの人材マッチングが企画されていましたが、その中で「日本企業で働きたい」という韓国のWebtoon人材のニーズがあることが分かり、Culture Weaverが参加日本企業の募集支援を担いました。
Webtoon発祥の地である韓国でWebtoon教育を受け、現場経験を持つ人材は、日本企業にとって大きな戦力となるでしょう。オンラインとオフラインで開催されたコンテンツIPマーケット2024では、複数のビジネスマッチングミーティングが成立しました。
世界のマンガについてゆるーく考える会
「世界のマンガについてゆるーく考える会」は、海外漫画好きが集まる読書会イベントです。始まりは、バンド・デシネ研究者でフランス語翻訳者である原正人氏の「国やジャンルを問わず、海外漫画を紹介し合える場を作りたい」という想いと、Culture Weaverの「海外で発掘した魅力ある漫画を、日本のファンに届けたい」という想いが共鳴し合ったことがきっかけでした。
参加者の好みや関心は様々で、毎回バラエティに富んだ漫画談義が繰り広げられます。各自おすすめ作品をプロジェクタに映しながら2~3時間語り合うという、漫画好きにはたまらないひとときです。
最近では、台湾の漫画家を招いてご自身の作品紹介を頂いたり、海外漫画を自社で出版したい出版社の方のプロモーションの場として活用頂いたりと、様々なベクトルで広がりを見せているイベントです。
海外漫画の魅力のひとつは、読むことでその国の歴史、文化、人々の考え方、社会問題に触れ、まるで旅をしているような気分になれることです。もちろん、旅行のように現地の食べ物を味わったり、人と会話したりすることはできませんが、漫画は人々の日常生活における機微を感じることも、ファンタジーの世界で異国のモンスターと戦うことも可能にします。
「読者」としてその国を知ることは、時として「旅行者」以上に深い文化理解に繋がるでしょう。そんな経験を、本イベントを通じてより多くの人に楽しんで頂ければ幸いです。
セレンディピティが生み出す新たな可能性
イベント会場に足を運ぶと、思いがけない発見や気づきを得ることがあります。「検索ワード」を決めずに歩いた先に訪れる偶然の出会い、偶然知り得た情報が、将来のビジネスチャンスに繋がるかもしれません。
Culture Weaverがネットワーキングイベントを積極的に行う理由は、様々なプレイヤー同士が国境を越えて繋がり合うことで、漫画業界全体の更なる成長とイノベーションに繋がるという確信があるからです。
今後も、質の高いイベントを開催し、皆様のネットワーキングのお役に立てればと思います。会場でお会いできることを、楽しみにしております。